満足いく介護を受けられない介護難民の実態

現在、介護業界で問題視されているのが介護難民です。介護難民とは、介護が必要な要介護者であるにも関わらず、施設に入れなかったり、自宅でも適切な介護サービスが提供されていない65歳以上の高齢者を指しています。2025年には全国で少なくても40万人以上が介護難民になるとの調査結果もあり、大勢の高齢者が窮地に立たされています。

介護難民の背景には、日本の高齢化の波が大きく関係しています。日本の人口は少子化で減少傾向である一方、65歳以上の高齢者は増え続けています。そのため、今後も日本の総人口に対する高齢者の割合は増えることが見込まれており、2025年には65歳以上の高齢者が総人口の3割程度になるとの見方もあります。

また、介護難民が増えている背景にあるのが、介護に携わるスタッフが足りていないという事です。仕事に見合った収入が得られないなどの理由から介護職を希望する人が少なく、人材の確保が難しくなっています。このような事もあり、今後、介護難民は誰もが直面する可能性があります。

介護難民を増やさないためには、国の対策はもちろん必要ですが、高齢者本人やその家族の心がけも必要不可欠と言えるでしょう。高齢者が自身で自立した生活を送れるよう、健康寿命を延ばす心がけを常に持っておく事が必要です。そのためには、運動・食事に気を使い、こまめな健診を受けて、寝たきりや病気にならない予防策を講じておくことが大事です。そうする事で、要介護者になるリスクを低くすることができます。